【実話】林間学校での恐怖体験。佇むおもちゃの霊

林間学校での恐怖体験。佇むおもちゃの霊

初めまして、たかなし亜妖と申します。

今回は小学校5年生の多感な時期に経験した、人生初の恐怖体験をお話ししたいと思います。

林間学校で泊まった古~い(ボロいとも言う)民宿にて、事件は起こりました。

楽しい楽しい、お泊まり行事

小学校五年生の林間学校は、ワタクシにとって初めてのお泊まり行事。

好きな深夜アニメと被っているから行きたくない!と駄々をごねつつ、強制的にバスへ乗せられたのをよく覚えています。

のっけからテンションはガタ落ち。元々行きたくないのだから最高潮に機嫌が悪いのです。

しかし小5ですから、まだまだ子供。

現地に着けばなんやかんやで友達と大はしゃぎして、楽しんでいました。

民宿の古さ、お風呂やトイレの汚さ、「ご自由にどうぞ」と置いてある麦茶の薄さに嫌気が差しましたが、まぁ許容範囲です。

お決まりの枕投げなんかもしちゃって、散々盛り上がっていたのですが……。

 

深夜1時に浮かび上がる影

先生に「早く寝ろ」と怒られるド定番イベントを何度か繰り返し、気付けば深夜になっていました。

メンバーは自分を含めて5人、まだ誰も眠りにつく気配はありません。

その中の1人が恋バナを始め、「実はクラスの〇〇くんが好き」と暴露をし始めました。

一同は驚きながら話に食いつきましたが、好きになったきっかけだのどういう部分が好きだの、やたら話が長かったので段々退屈になってきました。

しかし眠気は一向にやってきません。

話を聞くフリをしながら狭い部屋の壁をぼーっと見つめていました。

その時です。

「あれ、何か見える?」

なんと壁に設置された衣装かけの付近に、人影が見えるのです。

最初は衣装かけにある洋服かと思いましたが、何もかかっていません。

よ~く目をこらして見ると、そこにはセミロングヘアの女性が、右手にスプーン、左手にフォークを持って立っているのでした。

顔はのっぺらぼう。ユラユラと揺れながら、ただそこへ立ち尽くしているのです……。

 

人影の正体、実は……

そんな得体の知れないものが目の前にあるにも関わらず、ワタクシは冷静でした。

のっぺらぼうがスプーンとフォークを持っている姿に、見覚えがあったのです。

「あれって……まさかおもちゃの?」

そう、のっぺらぼうは小さい頃よく遊んだ、ミニチュアドールハウスのお人形にそっくりだったからです。

海外のおもちゃなのですがとても小さく、プラスチック製で造りがやや簡易的でした。

子供の頃夢中になって遊んでいたため、お顔のペイントが落ちてしまい、最終的にはのっぺらぼうになってしまったのです。

そのおもちゃはまだ実家にあり、捨てていなかったのですが……。もう何年も遊んでいません。すっかり押し入れの奥の住人です。

恋バナで盛り上がる部屋の中で、ワタクシはただただその影と見つめ合っていたのでした。

 

おもちゃからのメッセージだったのかも

なぜあのタイミングで現れたのかは分かりません。

しかしながらあの影を見た時、「私のこと忘れないで」と言っているのかもしれない……とおもちゃに対して申し訳ない気持ちになりました。

その後再び現れる事はありませんでしたが、どうしても気になり、帰宅直後に物置から彼女を引っ張り出したのをよく覚えています。

劣化して少し色褪せてしまっていましたが、他はなんの変わりもありませんでした。

おもちゃやぬいぐるみにも、「寂しい」「悲しい」という感情があるのかもしれないなぁと思った体験です。

しかしやっぱり怖かったので、未だに実家には捨てられないおもちゃで溢れています。

実家に帰省する度いちいち確認する、小心者のたかなし亜妖なのでした。

皆さんもおもちゃにはお気を付けて。知らないところで、泣いているかもしれませんよ。

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