皆さん、こんにちは。
死者より生きている人間が怖いと感じる萌子です。
▼先日オカルティーで書いた記事でご紹介した『特別展ミイラ「永遠の命」を求めて』に行ってきました!
皆さんの中でミイラというとやはり怖いものやオカルトチックなものというイメージが強い方も多いと思います。
しかしながら、それだけではないミイラの魅力をレポートと共にお話ししていきますので、是非読んでみてくださいね!
萌子
ミイラとは何ぞや、を語っていきます〜!
ミイラ展は完全撮影禁止のため、イラストを書きました。
ただし、絵心がないのでご注意下さいませ。
ミイラってどうやって出来るの?
まず、ミイラが出来上がるまでを説明していきますね。
ミイラができるには3つの要素が必要です。
- 「乾燥」:水分含有率20%以下のものを指し、古代エジプトの自然ミイラやナトロン加工のもの。
- 「温度」:一定以上に高いか低い環境、10℃以下もしくは40℃以上で、できたもの。
- 「化学物質」:屍蝋化や植物のタンニンや重金属が皮膚のタンパク質と化合する「なめし」現象で、できたもの。
以上の条件からミイラは生まれてくるのです。
ミイラの歴史(技術→見た目)
ミイラは徐々に技術より見た目重視に移行していきます。
- 子供のミイラをMRIにかけると右腕は大人の骨が使われていた
- 再生や復活の観念からリネンで作った男性生殖器も取り付けられた
- 肖像画が写実的になった
という風に進化してきた歴史があるのです。
ミイラ展のミイラたちをご紹介!(イラスト付き)
ここからは、ミイラ展に展示されていた様々なミイラたちを紹介していきます。
写真がない代わりにいくつかイラストを書いてみたので、ミイラ展に興味がある方は参考にしてください!
幼児のミイラ(南北アメリカ)
アメリカはその広大な土地柄、熱帯気候から寒帯気候まで異なる環境が備わっておりミイラができるのに適しています。
北アメリカ原住民の文化から古代アンデスの文化までミイラは身近なもので、生きていた時と同様に敬意を持って扱われていたのです。
そんな南北アメリカのミイラの中で一際目を引いたのは入り口近くのこのミイラでした。
「人工変化頭蓋と防腐処置の痕跡のある子どものミイラ(ペルー)」は本当に幼児そのものです。
柔らかそうに生えそろった髪や小さな乳歯が生々しく、生前の顔の予想すら容易でした。
チャチャポヤのミイラ(ペルー)
次に珍しかったのは同じくペルーの「チャチャポヤのミイラ・典型的なミイラの包み」です。
これは風合いの異なる布を貼り付けた布袋が巾着状になったものに顔の刺繍がしてあります。
一見すると布製のマトリョーシカか起き上がり人形のように愛らしいのですが、それをMRIに掛けたところ
中には膝を抱えた屈位のミイラが封じ込めてあったのです。
ペルーにあった古代インカの文明では、神への捧げ物や村の守り神としての生け贄のミイラも多く、このチャチャポヤもそうだと言われています。
古代エジプトのミイラ
魂の戻る場所として肉体を永遠にと作られたのが古代エジプトのミイラで、約1億5,000万人もの人がミイラになったそうです。
そして私たちがよく知るあのミイラも数々の変遷を経て、あの姿になりました。
というのも、B.C3,000年頃は壺の中に屈葬されていたのですが、B.C2,000年頃に木棺に伸葬、B.C1,500年頃にやっと人型の棺となりナトロンで化合するようになったのです。
B.C1,500年になるといよいよ手を胸の前で交差した、あのミイラとなりました。
ミイラはアミュレット(護符)と呼ばれる御守りを身に付けており、エジプトの神々や心臓や目、2本指など意味を持たせた物が多かったようです。
古代エジプトのミイラの中には動物のミイラもあり、特に猫のミイラは可愛らしく、グッズもたくさん置いてあったので興味のある方は是非!
世界一美しい少女のミイラ(イタリア)
ヨーロッパ各地ではミイラが保存されており、特に「ロザリア・ロンバルト」というミイラは有名です。
このロザリア・ロンバルトは2歳になる前に病死をし、イタリアのカプチン・フランシスコ修道会の地下納骨堂内の聖ロザリア礼拝堂に眠っています。
本当に眠っているという表現が正しく、巧みなエンバーミングと特殊な保存方法から生前と変わらぬ姿のままでいるのです。
ロザリアは「世界一美しい少女のミイラ」と呼ばれ、今でも定期的に話題となっています。
流石ヨーロッパは美麗なものが多いようでオーストリアで発見された「彩色が施されたアンナの頭骨」もそのひとつ。
頭蓋骨に色鮮やかな薔薇を始めとした草花や十字架、Annaという名前がまるで花冠のように施されており一つの作品として美しいと思えるものでした。
オセアニアと東アジアのミイラ
オセアニアでは指導者や祖先を崇拝する為、遺体を土葬した後、頭骨のみ掘り出して樹脂や粘土、タカラ貝の目、頭髪を付けて肖像頭蓋骨を作っていました。
タカラ貝の目が不気味さを増していますが、目の周りの鮮やかな隈取りや頭髪などからパプワニューギニアの文化を感じ取ることができます。
日本のミイラ
続いて日本のミイラ、これは衝撃的でした。
「江戸時代の兄弟のミイラ」なのですが、月代、眉毛、まつげか、爪に皮膚の感じまでが見て取れ、表情までよく分かります。
私は今、昭和・平成・令和と三時代生きていますが、このミイラも大正・明治・江戸とたった三時代前まで生きていた人々なのです。
もしかしたら私たちも令和の次の次の年号の頃にはミイラとして展示されているのかも?と考えてしまいました。
そして本草学者のミイラは胃の中に大量の柿の種が入っていて、その柿のタンニンによりミイラ化したんだそうです。
最後に見たのは福島県の「弘智法印 宥貞」という即身仏。
即身仏は永遠の瞑想をして仏になるというものです。
私も新潟でいくつか即身仏を拝観しましたが、やはり「ミイラ」とは違った感情が湧きました。
ミイラ展は怖いだけじゃない!楽しめるスポットも満載
実はこの特別展、要所要所に写真撮影ブースや、CGでファラオになれる撮影ブースが用意されていて、楽しみながら展示会を回ることができます。
またそのCGが笑えるのなんの!
お土産売り場もミニオンとコラボしたもの、脱力系、ミイラ展クッキー、各国のお土産などもあり非常に楽しめます。
ミイラ展ガチャポンもあったのですが、私の行った日は売り切れてしまっていました…。
萌子
めっちゃ欲しかったー!
まとめ:ミイラは単なる死体ではない。
ミイラというものは単なる死体ではなく、その時代の文化や思想を教えてくれる時の語り部です。
ただ、怖い、気持ち悪いと思うのでなく敬意を持って学びに行くと良いでしょう。
萌子
オカルティー的余談ですが、やはりこういった場所は「何か」ちょっと集まっているようなので敏感な方はお気を付けください。